2010年9月16日木曜日

恋するむじな。あるいは満月望郷篇

倉持さん、鈴木さん、長岡さん

ひさしぶりに会えで嬉しかったです。
みなさんの顔を見たら、また月が撮りたくなった。
戻ってから渡辺にデータを持ってきてもらい
仙石原の仲秋満月を切り直してみました。
相聞番外篇「望郷」とタイトル。
当時のメールによれば、ロケは9月17日。仲秋十四夜と。
添え歌は、なつかしい福島泰樹とその一党の
「天然の日本/光篇」から。
昨日から、一気に秋になったので。

そういえば、湯治部にHDーF900を導入するため
テスト撮影のターゲットが
舘岩村の湯の花六地蔵の立秋満月だった…。
満天の星空で、今夜はムリだなと
あきらめかけたとき、月光が山の端を染めた。
digitalJapanesque、いきなり発足の夜、だった。
満月撮った直後に、人恋しさを募らせた
たぬきのような体形をしたスタッフがひとり
月夜に消え、翌朝戻ってきたな。恋するむじな。




月で思い出したけど、
上海から逃亡してきた青年がうまい餃子を食わせる
「満腹餃子館」というおかしな名前の店が千住にあって、
上野の山で夜桜を撮った帰りに寄ったな。
あの笑顔がステキだった逃亡青年は、いまごろ故郷の上海で
俺があげた宇崎竜童の♪夜霧のブルース、口ずさんでいるだろうか。
あかりやは、つつがなしや。
月を撮るのがムリなら、あかりやに教えてもらった
神田のあの麻婆豆腐、ひさしぶりに食べたくなった。
15日夜。上弦。





2010年9月12日日曜日

東京朝焼けに戦慄。




朝5時過ぎ。そろそろベッドへと
最後の一本に火をつけた頃
部屋の中が赤く染まっていることに気づいた。
カーテンが紅になっていた。
窓を開けた。
朝焼け。
見たことのないような朝焼けが
東から南の空のほとんどを染めていた。
薄雲の加減が、こんなプラネタリウムのような世界を
とアタマでは理解できたが
魂を鷲掴みされるような感覚が消えず
そのまま10数分見上げていた。
黒に溶暗していく夕焼けとは違い
白に溶明していく朝焼けならではの移ろい。
東京、数日ぶりに37℃の酷暑となった
その夜明けの一瞬の、戦慄。
生きていてよかった。そう思った。