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[ポッポイの汽車に乗って行きませんか]
佐々木洋一詩集「未来ササヤンカ村」より
ねえ
ぼくの妹さん
ぼくのあんまり可愛ゆすぎてむずがゆい妹さん
ポッポイの汽車は
汽笛をピュウポオオイ 吹き吹き
たらっぽすかんぽ坂を越え
とんぼとんぼぎんやんま畑を通って
クリーナの駅でひと休みして
ササヤンカの村に行く汽車です
行くんです
本当に行くんです
今
ササヤンカの村の住民台帳には
ぼくの名前がポツンとひとつ
寂しがっているんです
ねえ
ぼくの妹さん
ぼくの
あんまり可愛ゆすぎてホクロを殺したくなる妹さん
ポッポイの汽車が発車します
ピュウポオオイ
ピュウポオオイ
ぼくといっしょに行こう
ササヤンカの村へ
ねえ
ぼくの妹さん
ササヤンカの村の住民台帳に
あなたの名前を刻めば
あなたとぼくは夫婦
子だくさんの夫婦になるんです
やがて
ササヤンカの村の住民台帳には
たくさんの住民が登録される
ねえ
ぼくの妹さん
ササヤンカの村はササヤカという村
野菜と土と風と水車がコットン揺れている村
あなたとぼくの子供達は
また美しい恋人達を
ポッポイの汽車に乗せて連れてくる
ねえ
ぼくの妹さん
ぼくの
あんまり可愛ゆすぎてつねりたい妹さん
ポッポイの汽車は
汽笛をピュウポオオイ 吹き吹き
あめんぼめだかっこ川を渡り
どんぐりどんぐりどんぶりっこ林をくぐり
クリーナの駅でひと休みして
ササヤンカの村へ行く汽車です
ピュウポオオイ
ピュウポオオイ
ねえ
ぼくの妹さん
ぼくといっしょに行こう
6 件のコメント:
新緑の渡良瀬渓谷鉄道?
▷mctokio
以下の3冊25日に入手
佐々木洋一詩集
詩集キムラ
アンソロジー 佐々木洋一
「アイヤヤッチャア 」は未定
ライアル・ワトソンの「水の惑星」「風の博物誌」が
オフィスにあるかをチェックしてください
●To 撮影部 at 2002 09/06 04:41
緊急かつ一年にわたる長期的なお願い
雲の動きというのは風の比喩にも使えると
今ごろになってやっと気づかされた。
水の粒の塊は、考えたら風で流されていくんだよな。
東北ロケで毎日のように流れる雲を見ながら
どうしてそのことに思い至らなかったのか。
風は難しい難しいと一人で悩んでいたことが嘘みたいだ。
渡辺が家庭用で撮りためた雲の動きを眺めながら
なんだ、これ、風じゃん
と与太郎のようにさっき気づいた。
あの夏の日々から「風のササヤンカ村」から11年経過し
ワタシはさっき9月6日午前4時16分現在に至り納得。
そんなわけで
全撮影部に緊急お願いをここで発表。
明日からですね
移動の合間、撤収の合間などで
「おっ、いい雲じゃん」と感じるときがあったら
かねて用意の別テープを取り出して収録よろしく。
その際の注意すべきはただ一点。
「できるだけ長時間回すこと」「コマ撮りではなくリアルタイム」
もういいかな、と感じたらさらに数分余分に回す。これがコツ。
使うときはほぼ5倍速以上になると考えてください。
ただし嵐、台風、大風のときは別。
動きが速いから短時間でもできるだけシーンを増やしていただきたい。
この9月の台風シーズンをきっかけに向こう一年
来年の9月まで撮影部みなさんでぜひチャレンジしてほしい。
ライブラリー以外に全10巻程度のHD/DVD+Bookシリーズ企画として販売します。
条件はデジタルハイビジョン。できる限りHD-F900で。
2台体制なのだから1年あったらとんでもないものになるな。
やむを得ない場合はHD-700も可。
なおデジβは認めず。
●To 東京星菫派音楽顧問 at 2002 09/06 04:58
長期的なお願い その2 音楽顧問殿
《緊急かつ一年にわたる長期的なお願い》
というのを突然発布いたしました。
そんなわけで東京星菫派音楽顧問は
1年後にまたあの冬のように白髪が増えちゃうことを
ゆっくりと覚悟しておいてくださいね。
こんどは八ケ岳辺りで録音しませんか。
温泉にでもつかって清浄な高原野菜でも食べながら。
2002.9.6朝 サーカス団 団長記
《はるのしなやかな挨拶》
佐々木洋一詩集『ぽっぽいの汽車に乗って行きませんか』より
さよならって言えることは嬉しい
なぜってさよならの前にはいつもこんにちわがあり
そのほんの隙間には
はなとみつばちのようなむずむずがあり
ゆめとくちびるのようなくちゅくちゅがあり
したとちちふさのようなちゅちゅちゅがあり
こいぬのはなのしめりっけが
言葉を 離れて ある
さよなら
あなたもあんたもあなたもあなたも
さよなら
そんなはるのしなやかな挨拶が
風をほんのり赤らめ
もう ニンゲンも はるなんだね
件名 : ウエブに書いたメモ
送信日時 : 2002年 2月 6日 水曜日 5:46 AM
菊池さんとやりとりしているうちに彼の笛を聴きたくなった。
《風のササヤンカ村》のレーザーディスクを見直す。
山下亜美も中田浩二も、
こんな読みは、もうできないのじゃねえか、
そんなふうにあらためて感じさせられる。
早稲田のアバコで真冬だったか。
《風》と《色》の2本分を書くために
正月の間に菊池さんはずいぶんと白髪が増えていた。
カネもなく、勢いだけで受けてもらった仕事。
MAが終わったときにミキサーの三上信一は涙を浮かべていた。
《さよなら》を山下と中田に読みわけてもらい
スタッフロールに、こぼした。
この詩をあてたのはエピローグ。
思い余って使った映像は、
スバルレガシーの《風と走る》ロケの寒風山の麓
男鹿半島入道岬の突端にあるがけの上の風に吹かれるススキの穂。
カンテラをかかげて沖を航海するヨットの女に
愛を送り続ける男の後ろ姿を撮った直後。
台風19号が東京のあちこちに洪水を起こし
男鹿半島も暴風雨となっていた91年晩夏。
湯治部発足のロケだった。
そしてさらに
同じ年の早春に房総千倉の
波打ち際で遊ぶ二羽の海鳥を加えた。
福島泰樹*の二つの短歌を思い浮かべながら…
《たったひとりの女のためにあかあかと燈しつづけてきたるカンテラ》
《飛ぶ鳥も遠くの空へむかうゆえ一生一緒に居て下さいな》
《東京星菫派》の冒頭に移した
《さよならって言えることは嬉しい》が
そのエピローグである。
三寒四温。
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