「春の夜は寂しき極みわがむねの闇のピアノが鳴りいづるとも」
「しなやかな華奢なあなたのくちびるもゆびにもふれぬ桜降りけり」
タイトルを「慕情」とする。
出典は「げに春は驟雨とともに始まるを咲かぬ桜よ慕情というは」から。

DVDに落としているあいだに外へ。春をつないだせいかむっとするような湿度も春の宵のようで苦にならず。タバコと缶コーヒーを買い松竹撮影所跡の公園へ。ベンチに座り雲まに顔を出した満月をしばし。
戻って月齢カレンダーで2002年3月24日を調べると「十夜月」。正中は夜8時。月没は翌午前2時32分とあった。撮影したのは7時過ぎ。正中に近い月だった。落ちてくる花びらをとらえるために倉持さんがほぼ真上にカメラを向けていた。風が二度だけ吹き、その二度目をしっかりととらえてあった。月は、満開の緋桜の頭上はるかに、輝いていた。
撮影後、北千住に寄り、満腹餃子館で水餃子を食べ、夕方籠脱けした六本木の地下スタジオに戻り翌朝までつまらない編集を続けた。まだ、まんちゃんが上海に帰らず、底抜けの笑顔で片言の日本語を話し、うまいプーアール茶を淹れて
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