2009年8月26日水曜日

春の輪郭




渡良瀬遊水地(わたらせゆうすいち)は、足尾鉱毒事件による鉱毒を沈殿させ無害化することを目的に渡良瀬川下流に作られた遊水池渡良瀬川思川巴波川の3つの川が合流する地点に作られている。
当時、設置の表向きの名目は洪水防止目的で、鉱毒対策をうたってはいないが、1903年の政府の第二次鉱毒調査委員会が渡良瀬川下流部に遊水池を設置する案を提示したことを受けて造成されており、鉱毒対策目的であることは明白であった。
法令上は、国土交通省が管轄する河川の内部になっている。足尾鉱毒事件から100年近く経った現在では鉱毒は減少し、主に治水と利水のための地域になっている。ただし、減少したのは上流から新たに流れてくる鉱毒の量であって、遊水地の土壌には現在(2009年)でも銅などの鉱毒物質は多く含まれている。
領域は栃木県群馬県埼玉県茨城県の4県にまたがるが、ほぼ全域が栃木県下都賀郡藤岡町に属する。残りの部分は栃木県小山市、栃木県下都賀郡野木町、茨城県古河市、埼玉県北埼玉郡北川辺町、群馬県邑楽郡板倉町に属する。
内部の面積は33km²で、山手線の内側の面積の約半分である。ゴルフ場が造成されている場所があったり、ごく一部に旧建設省の許可を得て耕作が行われた場所があったりするが、建物はなく、若干の道路と橋のみがある。 最寄り駅は東武日光線柳生駅新古河駅および板倉東洋大前駅
内部に第1調節池、第2調節池、第3調節池があることになっているが、第1調節池以外は増水時以外実態がない。第1調節池はかつてお化け沼と呼ばれ、釣り人に親しまれたが、その後の造成により南部がコンクリート張りの谷中湖になった。渡良瀬川の西側が第1調節池である。第2調節池は巴波川の東で、第3調節池は渡良瀬川と巴波川の北側である。遊水地内の堤の一部はあえて低く作られた越流堤があり、増水時には調節池に向けてわざと水を流して一時的にため、下流での洪水を防ぐしくみになっている。

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