2006年3月27日月曜日

ひとひら


この春の桜素材撮影のテーマ
佐々木洋一詩集より


さくらのひとひらが落ちてきたら
思わずそっと手のひらを出したい

さくらのひとひらが手の轍ではずかしげに身をちぢめたら
思わずそっと息を吹きかけたい

落ちてきたものよ
落とされたかも知れないものよ

ぼくの心は時々やさしくなって
ぼくの心は時々いきり立つ

さくらのひとひらが不在のように落ちてきたら
思わずアッと声を出したい

着飾ってすぐ落ちてきたのかも知れない
ぼろぼろになって落ちてきたのかも知れない
そのひとひらのために

さくらのひとひらを
手の心におさめて
心の血であたためてやりたい

はるか彼方の寒さをこえて
落ちてきたひとひらを
ひとひらのあわい存在を

8 件のコメント:

maul9 さんのコメント...

多摩川、都立大学、目黒川と電車のなかから
みてきましたがかなり咲いてきていますね。

Tokio さんのコメント...

撮影部からの権現堂桜堤は久喜から古河へ向かう途中です。
30日のテアトルのサラウンドチェックの時に立ち寄り、
チェックしたいとは思っています。

torum3 さんのコメント...

古河に行く前に見ておきたい。杉田さんに頼んでロケハンを兼ね、東京駅集合/解散でどうだろう。相馬さんと相談してください。

torum3 さんのコメント...

《はるのしなやかな挨拶》

さよならっていえることは嬉しい
なぜって 
さよならの前にはいつもこんにちわがあり
そのほんの隙間には
はなとみつばちのようなむずむずがあり
ゆめちくちびるのようなくちゅくちゅがあり
したとちちふさのようなちゅちゅちゅがあり
こいぬのはなのしめりっけが
言葉を 離れて ある

さよなら 
あなたもあんたもあなたもあなたも さよなら
そんなはるのしなやかな挨拶が
風をほんのり赤らめ
もう ニンゲンも はるなんだね

 佐々木洋一“ポッポイの汽車に乗って行きませんか”より

torum3 さんのコメント...

撮影決定したよ

torum3 さんのコメント...

「久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」紀友則。
「花の色は移りにけりないたづらに、わが身世に降るながめせしまに」小野小町。

Maria さんのコメント...

Very, very nice photo.

torum3 さんのコメント...

念のため書いておくけど
この写真に写っているのは
撮影部ナガオカ青年である。
この桜堤の発見者その人である。